お疲れ様です。糠マルです。(@malpighia_blog)
ぬか床を作っていてよくある悩みの1つが「ぬか漬けが凄く酸っぱくなってしまうこと」
これを解決するために色々調べてみると「卵の殻を入れるのが良いらしい」という情報をよく見かけます。
しかし効果があるという情報の反面、人によっては「卵の殻は入れないほうがいい」と主張する人もいるため、
結局卵の殻は入れていいのかダメなのか、どっちなの~?
とあなたは混乱してしまっているかもしれません。
そこで今回の記事ではぬか床に卵の殻を入れていいのか、ダメなのか、ハッキリしたいあなたにその結論をズバッと教えます。
その結論は「ダメじゃないけど、わざわざやる必要なし」。
この記事を読めばこの結論に至った理由のほかに
- なぜ卵の殻が酸味を和らげるのか?
- 「卵の殻を入れるな」と主張する人たちの根拠
- 卵の殻以外の酸味を和らげる方法
を解説していきます。
ぬか床に卵の殻を入れると酸味が和らぐ理由はカルシウム

そもそもなぜ卵の殻を入れるとぬか床の酸味を和らげることが出来るのでしょうか?それは卵の殻がカルシウムで出来ているから。
ぬか床が酸っぱくなっているのは乳酸菌が増えすぎて、状態が酸性に大きく傾いているためです。
一方卵の殻は、カルシウムを多く含むアルカリ性。これがぬか床の酸性と中和されるため酸味を和らげることが出来るというわけです。
実際筆者もぬか漬けがかなり酸っぱい!と感じた時にこの情報を耳にし、卵の殻を入れてみました。
結果しっかりと酸味が和らいだことを実感できましたね。
ぬか床に卵の殻を入れるときの注意点2つ

卵の殻をぬか床に入れるときには2つの注意点があります。
- しっかりと煮沸すること
- 薄皮を剥いて入れること
1つずつ見ていきましょう。
しっかりと煮沸すること
注意点の1つ目は「しっかりと煮沸すること」です。
なぜなら卵の殻には後述する食中毒菌である「サルモネラ菌」が付着しているかもしれないため。
サルモネラ菌は煮沸によって殺菌することが可能なので、ぬか床に入れる前には75℃以上の熱湯で1分以上加熱することを忘れないようにしましょう。
これでサルモネラ菌を死滅させることが出来ます。
薄皮を剥いて入れること
注意点の2つ目は「薄皮を剥いて入れること」です
これはぬか床に薄皮を入れたままにしておくと、嫌な臭いの元になってしまうため。
筆者はぬか床に卵の殻を入れた時、このことを知らず薄皮ごと入れてしまいました。
殻の方はいつのまにか分解されてなくなってしまったのですが、薄皮はずっと残り続けました。

白いのが残り続けた薄皮
ゴミが残っているみたいで、なんか嫌な感じ
またその薄皮からわずかですが、硫黄のような臭いも感じられました。
このような体験を身をもって経験しましたので、卵の殻を入れるときはしっかりと薄皮を剥いてから入れるようにしましょう。
なぜ「ぬか床に卵の殻を入れるな」といわれているのか

では今回の本題です。ブログや書籍で調べてみると、「卵の殻を入れるのはNG」と書いているところが多く見受けられます。
なぜ卵の殻を入れることを非推奨している人が多いのでしょうか?その理由は卵の殻にはサルモネラ菌が付着している可能性があるためです。
サルモネラ菌とは食中毒を引き起こす菌で、以下のような症状が現れます。
- 吐き気
- 腹痛
- 発熱
- 下痢
牛・豚・鶏といった食肉、そして卵が原因となる場合が多いこのサルモネラ菌。
もし卵の殻にサルモネラ菌が付着している状態でぬか床に入れてしまい、食材に移ってしまったとしたら、考えただけでも恐ろしいですよね。
つまり卵の殻をぬか床に入れることは、サルモネラ菌を運んでしまうかもしれないため、NGにする人が多いわけです。
・・・とはいえ、きちんと注意すればぬか床を作ってサルモネラ菌食中毒に感染するリスクはかなり低いです。
日本で流通している卵は店頭に並ぶ前にしっかりと洗浄・殺菌されており、汚染されているものを極めて稀。
研究では汚染の確率は0.0029%とのことです。
食品安全委員会が実施した研究事例では、日本全国から集めた市販の卵約10万個のうち、汚染されていたのは3検体でした。
さらに、2万個の卵から汚染が検出されなかったとのデータも併せ、汚染の確率を0.0029%程度と推定し、極めて低い割合となっています。
株式会社 東邦微生物病研究所 https://www.toholab.co.jp/info/archive/2321/
さらにここから煮沸消毒をすれば、菌はほぼすべて死滅するでしょう。
さらにさらに言えば、ぬか床の中は酸性なので入った菌も死滅してしまいます。
このようにきちんと対処をすれば食中毒が起こる可能性はほぼゼロであるといえます。・・・ですが、全くのゼロではないというのが正直なところ。
もしわずかなリスクでも回避したいのならば、気にかけておくべきでしょう。
結局卵の殻は入れていいの?ダメなの?

それでは最終的に「卵の殻は入れていいのか?ダメなのか?」について、筆者なりの結論を発表します。
結論としては「ダメではないけど、わざわざする必要はない」です。
なんか曖昧な結論だな・・・
ちゃんと理由も説明するから
確かに卵の殻を入れることは、酸味を和らげるのに有効な手段です。筆者も実際に効果を確認できました。
しかしそのためには、煮沸したり薄皮を剥いたりといちいち手間のかかる作業をしなければならないため、ズボラさんにとってはかなり面倒です。
わざわざこんな手間をかけずとも、ぬか床の酸味を和らげる方法は他にも色々ありますので、そっちを実行したほうが簡単でおススメです。
「どうしても卵の殻を入れたいんだ!」という強い思いがあるならやればいいと思いますが、そうでないならあえて選ぶ必要はないと思いますね。
「じゃあ卵の殻以外の対処法ってなんなのさ!」という方はこちらの記事をご参考ください。
>>ぬか漬けが酸っぱい原因は乳酸菌!酸味の強いぬか床の最強な手入れ方法
まとめ:卵の殻を入れるときはしっかりと準備をしてから

というわけでまとめです。
まとめ
・酸味が和らぐ理由は、卵の殻のアルカリ性でぬか床の酸性が中和されるため
・卵の殻には「サルモネラ菌」が付着している可能性があるので、非推奨な人が多い
・卵の殻以外にも酸味を和らげる方法はあるので、わざわざやる必要なし
ぬか床が酸っぱいからといってわざわざ卵の殻を使うのは面倒。いろいろと方法はあります。
なのでリンク先で紹介する方法を使って、酸味を調整してみてください!
そうすれば卵の殻を使うよりも簡単に、酸っぱすぎないぬか漬けを作れるようになりますよ!
>>ぬか漬けが酸っぱい原因は乳酸菌!酸味の強いぬか床の最強な手入れ方法

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