お疲れ様です。糠マルです(@malpighia_blog)
ぬか床からすごく酸っぱい匂いがしてきた・・・。
変な臭いがしてきたけど、どうすればいいの?!もう捨てるしかないの?
こんな状況になって焦ってはいませんか?
何も知らないと、急に変わった匂いがした時「ダメになってしまったんじゃないか?」と捨ててしまっていたかもしれませんよね。
でも大丈夫。実は変な臭いは大体ぬか床にいる菌が原因なので、適切な処理をしてあげれば元通りになるんです。
今回の記事では変な臭いがして困っているあなたのぬか床を、簡単に元通りにする方法を臭いのタイプ別でお伝えします。
この記事を読めば変な臭いの原因と対処法がわかりますし、これから先同じようなことが起きても慌てずに済むようになりますよ。
【6タイプ別】ぬか床の変な臭いの原因・解決法

ここからぬか床から変な臭いがしてきたときの、原因と解決法を解説していきます。
ぬか床からする変な臭いは大まかに分けると以下の6通りです。
- シンナー・セメダインの臭い
- 蒸れた靴下の臭い
- アルコールの臭い
- 酸っぱい臭い
- 腐敗臭
- 食材やゴム手袋から移った臭い
それぞれについて詳しく解説していきます。
シンナー・セメダインの臭い
- 原因
- 産膜酵母が増えすぎたこと
- 解決策
- ぬか床をしっかりかき混ぜること
ぬか床からシンナーやセメダインのような鼻に「ツン」とくる臭いがしたときは、産膜酵母が増えすぎたことが原因です。
産膜酵母は酢酸エチルという物質を生成し、これがツンとくる臭いの正体となります。
シンナー臭はぬか床を手入れする上で良く発生する臭い。
筆者のぬか床も気を抜くとすぐに「ツーン」ときます。
シンナーやセメダインの臭いがした場合の解決策は「しっかりとかき混ぜること」。
産膜酵母は酸素がないと生育できない好気性の微生物なので、ぬか床の表面に生息しています。
そこでぬか床を上下ひっくり返すように混ぜて酸素の少ない底の方に押し込めれば、繁殖を抑えられて臭いがしなくなるのです。
シンナーやセメダインの臭いは日々の管理不足が原因!
しっかりお世話しよう。
ぬか床を1から作っている際は産膜酵母の匂いがしてくるのはむしろ喜ばしいことです。
なぜなら産膜酵母が増えたということは、ぬか床が順調に育っているということだから。
産膜酵母の臭いは、ぬか床の発酵が順調な証拠!
とはいえそのまま放置すると臭いがきついので、しっかりかき混ぜてあげましょう。
>>【手抜き】ズボラ流ぬか床のかき混ぜ方!1日1回じゃなくてもOK!

蒸れた靴下の臭い
- 原因
- 酪酸菌が増えすぎたこと
- 解決策
- ぬか床をしっかりかき混ぜること
ぬか床から蒸れた靴下・雑巾のような嫌な臭いがしてきたら、その原因は酪酸菌が増えすぎたことです。
なので酪酸菌が減るように手入れをしてあげれば、臭いを消すことが可能になります。
解決策は産膜酵母の時と同様に「しっかりとかき混ぜること」が非常に有効。
産膜酵母とは反対に酪酸菌は酸素を嫌う嫌気性の微生物であるため、ぬか床の底の方に生息しています。
上下をひっくり返すようにかき混ぜて酪酸菌を酸素の多い表面に移動させれば、増えすぎを抑えること可能です。
産膜酵母とはちょうど逆の関係になります。
つまり「かき混ぜること」はシンナー・セメダイン臭と靴下の臭いを同時に攻略できる手入れなので、毎日しっかりと混ぜてあげましょう。
アルコールの臭い
- 原因
- 酵母が増えすぎたことによる発酵過剰のため
- 解決策
- しっかりかき混ぜる
塩分を足す
温度を下げる
ぬか床からアルコールのような臭いがした時の原因は、酵母菌が繁殖したことによるものです。
アルコール臭のしたまま野菜を漬けてしまうと、臭いが食材にも映ってしまい美味しくなくなります。
対策としては「かき混ぜること」「塩分を足すこと」「涼しい場所に移動させること」の3点。
塩分には菌の繁殖を抑える効果があるので、塩を2つまみほど混ぜ込んでしばらくぬか床を休ませてあげます。
また酵母は25℃付近でもっとも活発に活動するため、涼しい場所か冷蔵庫に移動させてあげましょう。
こうして酵母の過剰発酵を抑えてあげれば、自然とアルコール臭は抜けていきます。
酸っぱい匂い
- 原因
- 乳酸菌が増えすぎたため
- 解決策
- しっかりかき混ぜる
塩分を足す
水分を抜く
温度を下げる
ぬか床から酸っぱい臭いがしているときの原因は乳酸菌が増えすぎているためです。
乳酸菌は美容効果や整腸作用など体にとって良い効果を与えるものなので、増えても特に問題はありません。
しかし酸っぱすぎて食べるのに苦労する・・・というのであれば本末転倒ですから、適度な匂いになるまで対策する必要もあります。
初めてぬか床を作った時は「めちゃくちゃ酸っぱい!」とびっくりして、
どうすればいいか悩んだものです。
解決策は「かき混ぜること」「塩分を足すこと」「水分を抜くこと」「温度を下げること」。
乳酸菌も酪酸菌と同じく嫌気性の微生物です。酪酸菌ほどではありませんが酸素が苦手なのでぬか床の真ん中に生息しています。
かき混ぜを怠ると乳酸菌が過剰発酵してぬか床の酸度が高くなり、酸っぱい臭いを放つようになります。
また塩を加えることで乳酸菌の活動を抑えることができます。水分が多いと塩分濃度も薄まってしまいますので水が多い場合は水分を抜きましょう。
乳酸菌の快適温度は20~25℃です。これ以下の温度の場所に保管することによって、乳酸菌を増やさないようにすることが可能になります。
このような方法によって乳酸菌が増えすぎるのを抑えてあげれば、ぬか床から酸っぱすぎる臭いがするのを解決できます。
乳酸菌は体に良い影響を与えるものなので、多くても特に問題はありません。
酸っぱいのが好きという方は、強い匂いがしてもそのまま使い続けていいでしょう。
腐敗臭
- 原因
- 雑菌が繁殖したため
- 解決策
- 1から作り直す
ぬか床から「下水の臭い」「うんこくさい」といった腐敗臭がする場合は雑菌の繁殖が原因です。
ぬか床の中は強い酸性のため通常ならば雑菌は死滅してしまいます。
にもかかわらず腐敗臭がするということは、相当手入れをサボっていたことが予想されます。
腐敗臭がした場合の解決策は「ぬか床を1から作り直すこと」
えっ、元のは捨てちゃうの?もったいない。
と思われるかもしれません。
元に戻そうと思えば塩を足したり捨て漬けをしたりする必要がありますが、かなりの手間と根気が必要になります。
場合によっては1からぬか床を作るより面倒なので、いっそのことやり直したほうが効率的です。
手入れが面倒だからと腐敗臭がするまでぬか床を放置すると、余計に面倒な事態になってしまいます。
日々のかき混ぜはしっかり行いましょう。どうしてもかき混ぜるのが億劫な方は以下の記事をご参考ください。
>>【手抜き】ズボラ流ぬか床のかき混ぜ方!1日1回じゃなくてもOK!

食材やゴム手袋の臭いが移っている
- 原因
- 臭いの強いものをぬか床に入れた
- 解決策
- メインのぬか床とは別漬けする
ぬか床は臭いの吸収力が強いので、臭いの強い野菜を漬けるとその匂いが移ってしまいます。
例えばニンニクや玉ねぎ、ゴーヤといった食材は臭いが移りやすいので控えたほうが良いです。
また肉や魚もそのまま漬けるとぬか床が生臭くなってしまうのでおススメしません。
筆者も過去にニンニクをぬか床に入れたことがありましたが、少量でもものすごくニンニク臭がするようになってしまいました・・・。
これを解決策はメインのぬか床とは別に密閉袋を使って漬けることです。
密閉袋がなければラップで覆って漬けてもヨシ。
ここで使ったぬかは漬けた食材の専用とし、メインのぬか床には戻さないでください。
数回使用して嫌なにおいがしてくるようであれば、その時は潔く処分しましょう。
ここまででぬか床から異臭がした場合の原因と解決策をお伝えしました。
これでぬか床から変な臭いがしてきても、あなたは慌てず対処できるようになっているはずです。
とはいえ場合によっては臭いを戻すのにかなり手間がかかってしまうのも事実。
そのために大事なのは日頃からしっかりと手入れをして事前に予防をしておくことです。
少し面倒でもきちんと手入れをすれば、後々の大きな面倒を回避することが出来ます!
変な臭いを事前に予防する4つの対処法

ぬか床から変な臭いをさせないための予防方法は以下の4点。
- かき混ぜる
- 適切な塩分
- 適切な水分
- 温度の低い場所での保管
1つずつ見ていきましょう。
かき混ぜる
1つ目は「しっかりかき混ぜる」ことです。
解決策のところを見ていただければわかるように、大体の臭いはかき混ぜを怠ったことにより発生します。
かき混ぜるのをサボると、ウチのぬか床はすーぐシンナー臭を出します。
デリケートな奴です。
ですが日頃からきちんとかき混ぜていれば、ほとんどの臭い問題は回避することが可能です。
やり方としてはぬか床の上下をひっくり返すように、最低でも1日1回かき混ぜてください。
(夏場の暑い日は余裕があれば1日に2.3回かき混ぜるとより効果的)
かき混ぜはぬか床で最も大事な手入れなので、しっかりと。
適切な水分量
2つ目は適切な水分量を保つことです。
ぬか床の水分が多くなると、塩分濃度が薄まって雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。
適度な水分量はぬかを「ぎゅっ」と握ってみた時に、水分が指の間からにじみ出るくらい。
それよりもぬか床がゆるくなったら、足しぬかをしたり水抜きをして水分を調整してあげてください。

適切な塩分量
3つ目は適切な塩分量を保つことです。
塩には雑菌の繁殖を抑える効果がありますので、少なくなると雑菌が増えやすくなってしまいます。
野菜を漬けると野菜から水分が出て、代わりに塩分が吸収されます。
なのでぬか床を使っていけば自然と塩分濃度が下がっていきますので、定期的に塩を足すことを心掛けてください。
目安としてはぬかを舐めてみて、ちょっとしょっぱく感じる程度が理想。
筆者も週一くらいで口に入れて確かめてます。
いい塩梅を保って、塩分を調整してください。
>>【徹底網羅】ぬか床の塩のすべてを解説!入れる理由や分量はどのくらい?

温度の低い場所での保管
4つ目の対策は温度が低い場所でぬか床を保存することです。
大抵の場合ぬか床から嫌な臭いをさせているのは、微生物が原因である場合がほとんど。
微生物は低い温度で活動力が弱まりますので、臭いの発生を抑えることが出来ます。
おススメの保管場所は冷蔵庫に入れること。冷蔵庫ならば毎日かき混ぜる必要もなく3日に1回くらいで問題なないです。
ウチでもかき混ぜが面倒な時は冷蔵庫に入れてます。
味には何の問題もないですよ。
手入れの労力が減るので、ズボラさんにもピッタリの方法です。
まとめ:ぬか床の臭いは健康のバロメーター

というわけでまとめです。
シンナー・セメダイン臭 | 靴下の臭い | アルコール臭 | 酸っぱい臭い | 腐敗臭 | 臭い移り | |
原因 | 産膜酵母 | 酪酸菌 | 酵母 | 乳酸菌 | 雑菌 | 臭いの強いものをぬか床に入れた |
解決策 | かき混ぜる | かき混ぜる | かき混ぜる 塩分を足す 温度を下げる | かき混ぜる 塩分を足す 水分を減らす 温度を下げる | 1から作り直す | ぬかを分けて漬ける |
事前の予防には
- かき混ぜ
- 塩分の調節
- 水分の調節
- 冷蔵庫での保存
が効果的
ぬか床の臭いは健康状態を計る為のバロメーターです。
ぬか床から美味しい匂いがしていれば美味しいぬか漬けになりますし、逆に嫌な匂いならイマイチなぬか漬けになります。
ぬか床の状態を保つため、臭いには気を付けてみてください。
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