お疲れ様です。糠マルです。(@malpighia_blog)
ぬか床がなかなか発酵しなくて、ぬか漬けの漬かりが悪い・・・。
なにかいい対処法はないだろうか?
このようなお悩みを抱えてはいないでしょうか?
せっかく作ったぬか床なのに発酵しなくて漬かりが悪いと、美味しいぬか漬けが食べられなくてガッカリしますよね。
実はその原因は「乳酸菌がうまく働いていないこと」。なぜなら乳酸菌の働きによってぬか漬けは出来上がるからです。
今回の記事ではぬか床が発酵しなくて思うようにぬか漬けができなくて困っているあなたに、発酵とは何か?そして発酵を促進するためにはどうすべきかを解説していきます。
この記事を読めば乳酸菌がうまく働き発酵が進むので、美味しいぬか漬けを作ることが出来るようになりますよ。
・発酵しない原因は「乳酸菌」がうまく機能していないから
・乳酸菌が活動しやすい状況を整えてあげれば、発酵も進む!
発酵とは?

まず前提知識として「発酵」とは何なのかを解説します。
発酵とは一言で言えば「微生物の働きによって物質が分解され、人間にとって有益なものに変化すること」を指します。
例えば納豆菌によって大豆が納豆になるのが代表的なものです。
大豆に納豆菌が繁殖すると、大豆のたんぱく質や炭水化物が変化して納豆特有の味や香り・ネバネバを生み出します。
ちなみにこの時生み出される物質はグルタミン酸とフラクタンといいます。
他にも麹菌によって米と大豆が味噌になるのも発酵の力ですし、醤油やビール、チーズやヨーグルトなど発酵によってできる食品には様々なものがあります。
最初に「人間によって有益な物」と書きましたが、微生物の働きによっては悪臭など人間にとって好ましくないものが出来ることもあります。
この場合は「腐敗」と呼ばれます。
つまり「発酵」と「腐敗」は「微生物が物質を変化させる」という仕組みとしては、まったく同じものなのです。
納豆は日本人には美味しい発酵食品ですが、外国の人には臭い腐敗物として見られることが多いでしょう。
逆に世界一臭い食べ物として有名なシュールストレミングは日本人が食べるにはかなりきつい食品です。
以上が発酵についての知識になります。ではぬか床の中ではどのような発酵が行われているのでしょうか?
ぬか床が発酵するメカニズム

発酵についての前知識がついたところで、ぬか床の発酵のメカニズムについて解説していきます。
ぬか床に入れた食材はぬか床内に棲む微生物である「乳酸菌」の力によって発酵し、美味しいぬか漬けへと変化します。
乳酸菌とは「糖を分解して乳酸を作り出す微生物の総称」のことです。
ぬか床は主に「ぬか」と「塩分」から成り立っています。
ぬか床の中に食材が漬けられると、塩分の浸透圧によって食材の水分が抜け、同時に栄養素も溶け出します。
この栄養素は乳酸菌のエサとなり分解され、旨味の元となるアミノ酸や酸味となる乳酸といった風味成分に変化します。
そしてこの風味成分を水分の抜けた食材が吸収。さらにぬかが元々持っている栄養素も染み込み、美味しく栄養価の高いぬか漬けが出来上がるというわけです。
これがぬか床の中で起こっている発酵のメカニズムです。
これを見ればわかる通り、ぬか床の発酵には乳酸菌が非常に重要な役割を担っています。
つまりぬか床の発酵が悪い時は、乳酸菌の活動を促進してやれば解決できるというわけです。
ぬか床がうまく発酵しない時の対処法

ぬか床を作っていると「ぬか床がなかなか発酵しない」というお悩みを抱えている方も多いと思います。
その悩みを解決する答えは「乳酸菌の働きを促進してあげること」
そのために出来る対処法は以下の通り。
- 捨て漬け
- 温度管理
- 水分調節
1つずつ見ていきましょう。
捨て漬け
ぬか床を作り始めたての段階の場合、まだ乳酸菌が十分に増えていないため発酵の進みが遅い可能性が考えられます。
この場合はまず捨て漬けをして乳酸菌を増やすことに注力しましょう。
捨て漬けをして約2週間ほど経てば、酸味の効いた乳酸菌特有の匂いが感じられてくるはずです。
>>ぬか床の捨て漬けとは?【美味しいぬか漬けのため】期間・やり方を解説

温度管理
乳酸菌が十分に繁殖しているにもかかわらず発酵の進みが遅い場合は、ぬか床の温度が低いことが考えられます。
乳酸菌が最も活発に活動する温度は20~25℃です。
ぬか床をこれ以下の温度で保存している場合、乳酸菌の働きが鈍り発酵の進みが遅くなってしまいます。
対処法として場所を暖かいところに移動させたり、お湯を入れたペットボトルをぬか床に差し込んだりして温めてあげてください。
温度が適温になれば乳酸菌の働きも元に戻り、発酵が進むでしょう。
温度が低くなることで乳酸菌の働きが鈍くなるということは、嫌なにおいを発する原因となる産膜酵母や酪酸菌の働きも鈍るということです。
>>【6タイプ別】ぬか床から変な臭いが!原因&解決法を徹底解説!
このことを逆手にとれば、冷蔵庫で温度の低い状態で保存すれば毎日かき混ぜる必要がなくなるということにになります。
>>【手抜き】ズボラ流ぬか床のかき混ぜ方!1日1回じゃなくてもOK!
毎日のお手入れが面倒なズボラさんは、あえて冷蔵庫で保存することで気軽にぬか床を楽しむことが可能ですよ。
>>【楽しよう】冷蔵庫ならズボラでも放置でぬか床管理が可能!

水分調節
ぬか床の水分が少ないことも発酵しない一因です。
ぬかがボロボロとした状態だと漬かりが悪くなってしまいます。
最適な水分量はぬかを手で握った時に、指の間から水が滲み出してくるくらいがベスト。
このぐらいの水分量になるよう、大根などの水分の多い食材を漬けたりして調整してください。
まとめ:メカニズムを知れば、発酵しない悩みも怖くない

というわけでまとめです。
まとめ
・発酵とは「微生物の働きによって物質が分解され、人間にとって有益なものに変化すること」
・ぬか床に食材が漬けられると、乳酸菌の力によって発酵しぬか漬けになる
・ぬか床が発酵しない時は「捨て漬け」「温度管理」「水分調節」で対処しよう
ぬか床が発酵しないという悩みも、「発酵のメインが乳酸菌」ということがわかれば怖くありません。
今回ご紹介した対処法を実践してみてください。
そうすれば乳酸菌が正常に働いて
正常に発酵するぬか床が作れるようになりますよ。
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